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2010.07.30(Fri)


詩集を読む夜


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詩は難しくて、わからない、

ということを、よく聞きます。

たしかに、僕も、そう思います。

通勤電車で、ページをくっても、くっても、

頭に入ってこない。

わかりかけたと思ったのに、次の行で、

わからなくなる。

でも、その難しさには、一読して

理解するには難しい、ということであって、

その背景には、何をするにしても、

急かされる社会、というものがあります。

スピードや、データ。

そういものと拮抗するために、言葉があるのだし、

文学があり、音楽があり、絵画があり、

詩があるのだと思います。

ゆっくりと、自分のペースで読めば、

詩ほど、豊かなものはありません。

これは、自戒を込めて、言っています。



最近は、金子彰子さんの詩集、

『二月十四日』(龜鳴屋)を読んでいます。

言葉に誘発されて、いろいろなことに

思いをはせるのが、とても愉しい。

通勤電車の中ではなく、夜に、机の上で、読みます。

解説で、井坂洋子さんが書いてらっしゃるように、

「読み手の心に、嵩ばらないで、すっともぐりこめる
 
 可能性を秘めている」

そういった、詩集です。

夏の日を、店を、影を、自らの体を、思い出します。

恋人を、町を、眠りを、食事を、思い出します。

才能も、造本もすばらしい。

ちなみに、僕は、「遠山」という詩が、好きです。

限定214部。

もうすぐ、売り切れだそうです。

めでたいです。


金子さんのブログ
http://d.hatena.ne.jp/Kaneco/

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2010.02.17(Wed)


『早く家へ帰りたい』


recommendは、高階 杞一さんの詩集、

『早く家へ帰りたい』。

偕成社さんのホームページには、

「誕生時から重い内臓障害を負っていた息子の
 突然の死によって、子どもの生の意味を改めて
 ふり返る19編の詩」

とあります。

打ち合わせのときに、デザイナーさんから見せて

いただいて知ったのですが、本当に、すばらしいです。

読みながら、泣いてしまいました。

本を読んで涙するなんて、学生時代以来のことです。

何も言うことはありません。


興味を持たれましたら、ぜひ、お近くの書店でお買い求めください。

ちなみに、タイトルは、サイモン&ガーファンクルの、あの曲です。

本当に、すばらしいです。




2010.01.12(Tue)


文学の旅。


今度刊行する小説の注釈を、せっせと作っています。

その短編は、ソ連時代のめぐまれない作家が、旅行に来ていた

見知らぬアメリカ人に、出版の融通をしてくれ、と頼む話です。

追いかけていっては、何度も、何度も、頼みます。

火中の栗は拾いたくない、というアメリカ人と、

自分のことしか考えていない、切羽詰まった、才能豊かなロシア人。

おもしろいし、哀しいです。


ロシア人は、会話の中で、ロシアのたくさんの作家の名前を、

滔々と、を引用します。

ドストエフスキー、チェーホフ、ソルジェニーツィン。

ここまでは、わかります。

イサーク・バーベリ、マリーナ・ツヴェターエワ、オシップ・マンデリシュターム。

? ? ?

聞いたことがあるような、ないような、という名前です。

しかし、彼らの名を、図書館の文学辞典で調べると、俄然、読みたくなります。

たとえば、イサーク・バーベリは、要約すると、下記のようになります。


「一八九四 ~ 一九四一。ロシアのユダヤ系作家。
短編の名手であり、多彩な文体で『オデッサ物語』『騎兵隊』などを残した。
スターリンの粛清によって銃殺される」


そして、『騎兵隊』はネット古書店でそんなに高くない値段で、

『オデッサ物語』は新刊(群像社)で、今でも読むことができるのです。

読者というものは、このようにして続いていくのだ、と思います。

その導き人となるのは、必ずしも、現実世界の人間ではないのです。




2009.12.09(Wed)


すばらしきかな、マラマッド


めっきり、寒くなりました。

「夏葉社」の看板が指し示すとおり、

冬がとても苦手です。

歩いているときも、必要以上に、

背中が丸まります。


recommend は、マラマッド。

私が大好きな作家です。

過小評価され、その名も忘れかけられている昨今、

柴田元幸先生の翻訳で蘇りました。

アメリカ文学者の井上謙治先生は、

『アメリカ読書ノート』の中で、

マラマッドの言葉を下記のように引用しています。


「文学は人間について語ることによって、人間を尊重し、

ロバート・フロストの詩が『混乱に対する一時的な支え』

であるように、倫理を志向するものである。

芸術は人生を讃え、われわれに基準を与えるのである」


さまざまな意見があるでしょうけれども、私は、古くから続く、

このような文学に対する信頼を忘れまい、と思っています。

寒い冬の夜は、マラマッド。

友だちが増えたような気にもなります。




2009.12.01(Tue)


『四万十日用百貨店』

IMG_0734.jpg

一昨日の日曜日に、TBSの情熱大陸で、『自遊人』の

岩佐十良さんが特集されていましたけれど、氏の拠点は、

都会の喧騒から離れた、新潟県の南魚沼にありました。

この本の著者である、迫田司さんは、高知県の四万十在住。

そこにあるのは、沈下橋。

天然うなぎ。

野生の鹿。

ああ。


しかし、もともと、四万十の人ではないのです。

デザインを通して、集落に関わり、そこにあるものから、

デザインを日々学んでいるのです。

それは決して美しい自然だけではなく、

酒の席のおじさんの声であり、

「土州勝秀」の腰なたであり、

長年続く神様を迎えるお祭りであり、

薄暗い、夜の路地であり。


そうした生活に基づいたものこそが強いのだ、

と私は思います。

新しいものを創るのではなく、

日々の生活の中から、発見すること。

刺激を受けます。

と同時に、笑みも浮かびます。

ぜひ、ぜひ、読んでみてください。


好著ぜよ。

(蛇足。ただ言いたいだけ)




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